ある会社の責任者から
「お客様と合意が取れない」
「部下の指導においても、上手くいかず困っている」
などの相談を受けました。
自分だけでなく、リーダー職みんなの悩みのようでした。
説得では意味がないことは分かっておられるようでした。
そこでリーダーの方々に、合意が取れる話し方の一環として、まずは
「信頼関係を深めるコミュニケーション」
の研修を実施してきました。
今回は、合意形成について深堀していきたいと思います。
本日のテーマ
経営理念とリスペクトマインドに基づく合意形成術
まず、合意形成とは何かについて触れておきましょう。
先にご紹介した企業でのお困りごとは
・関係者同志の意見が食い違い、
・意見の一致を図ることが出来ない
ことでした。
このようなことは、
チーム内、
お客様と担当者、
上司と部下、
など、様々なシーンでよく見られることです。
昔とは違い、現代社会の職場では
正社員だけでなく派遣の方など、立場の違う方と同じ仕事をしたり、
グローバル化で様々な国の方々と共に働いておられたり、
また、個人の価値観も多様化してきました。
まとめていくのも並み大抵のことではありません。
だからこそ、
より一層努力してお互いに納得のいく合意を取っていくこと、
意見を一致させることが大切になってきますね。
一人ひとりの能力を最大限に発揮していくためにも
全員参加で役割認識や責任感をもって合意形成していくことが
組織力強化には、なくてはならないプロセスになります。
それでは、具体的なステップを見ていきましょう。
合意形成の進め方
必要な4つのステップ
気を付けたいポイント
4つのステップ
- 議論の目的を共有
まずは、何のための議論なのか全員で確認しましょう。 - 目的に対する実行案を共有
実行案の理由を論理的にしていくことで納得を得やすくなります。 - 実行案を選択し、全員の合意を得る
メンバーの状況を共有し、参加者全員が自分も実行案を作った一員であると参画意識を高めるような進め方をしましょう。 - 実行手順の確認を取り共有
全員で手順を確認し共有しながら、確実に実行に移しましょう。
気を付けたいポイント
- 心理的安全性を確保する
- 必要な情報は全員で共有する
- 一致点と相違点をまとめ、その原因を明確にしていく
ざっくり、このようなプロセスやポイントが挙げられます。
今回、この会社からのご依頼に対して重視したことは、
この4つのステップを進める前段階として
「経営理念の実践」と「相手を尊重する心の在り方」の共有でした。
違う世界観を尊重しよう
合意が取れる話し方を習得する為に、
「信頼関係を深めるコミュニケーション」
というテーマで研修を実施しました。
研修の冒頭で「企業理念や行動指針」を唱和していただきました。
実はこの会社がこのように唱和するのは初めてのようでした。
我々の組織の存在意義は
大切にしている価値観は何なのか、
そこを明確にしてから始めたわけです。
良かったです。
判断基準が明確になりました。
自分の願う結論に固執することが無いように
組織の価値観を再認識していただきました。
自分の考えがベストとはかぎりません。
話し合う中で、自分が考えていた以上に素晴らしい結論にたどり着くこともあります。
そんな時、仲間の素晴らしさを感じざるを得ません。
切磋琢磨!
これが、合意形成につながるディスカッションの醍醐味ですね。
十人十色と言います。
人それぞれに、価値観が違います。
自分の意見と違うからと言って相手を否定しないことが重要です。
生まれも育ちも違うのですから、違っていて当たり前と捉えましょう。
相手の大切にしている価値観や相手の世界観を理解し
違う世界観を尊重して受け止めるというマインドがあって
はじめて有意義で建設的な話し合いが出来ます。
そのためにも自分の心の枠を柔軟にすることが大切になります。
相手が大切にしている価値観は何か、
なぜ問題視しているのか、
そこをしっかりとらえ共感していくことで
信頼関係を深めていくことができます。
互いの接点を増やしていきましょう。
最初は全く接点がなくても、理解しあうことで線になり面になっていきます。
相手を尊重し、相手の世界感を受け止めていくこと大事ですね。
研修を受講してくださったメンバーは
違いを受け止めて相手の立場に立つことが重要である
と腹落ちしたようでした。
そして、次に活かすことを約束してくださいました。
理念浸透で
よりよい合意形成を!
合意形成の目的のさらに上の「上位目的」
理念を意識することで参加者全員が納得のいく結論を導き出すことが出来る
と考えます。
今、時代は大きく揺れていますね。
盤石だった大きな存在が、音を立てて崩れていくような
そんな出来事が多発しています。
○○自動車・○○歌劇団・○○事務所・○○党・・・・
原因の多くは
意見しづらい風通しの悪い組織風土
組織が崩れていく最大の要因になっています。
大きな組織に忖度して、困っている状況を伝えることができない、
上司や幹部に言いたいことが言えない、
こようなことを耳にすることが増えてきました。
まともに合意形成ができていなかったということになりますね。
このような窮地に陥った時、見直されるのが「経営理念や行動指針」です。
会計の不正が発覚したオリンパス株式会社がⅤ時回復したのは
会社を変えるのは従業員であるとの考えを前提に
体質改善のために組織風土を一気に変えていったから、との事です。
先ずは、新たにつくった理念を共有し、変革に着手されました。
人事制度には、理念の理解度や浸透への貢献度を反映しておられます。
そうやって、粘り強く浸透させていくことで
組織力を強化していくことができるのですね。
いずれにしても、変化の激しい時代にあって
組織も個人もしっかりぶれない軸を持っていないと
危うくなっていきそうに思います。
皆さまの組織では
経営理念が日々の意思決定や合意形成に
どのように活かされていますか?
それでは
今日も、ワクワク
楽しい1日をお過ごしくださいね!!
最後までお読みくださり
ありがとうございました♪