チーム編 ヒント5:「コミュニケーションの土台ができれば、社員はどう変わる?」
【ご質問】
アブラハム・ハロルド・マズロー によって提唱された理論
有名な「マズローの欲求5段階説」を使って
「やる気」のメカニズムを見ていきたいと思います。
人間の動機や欲求に力点を置いた人格理論で
①生理的欲求
日常生活を送るための基本的・本能的な欲求
②安全・安定の欲求
危険を回避し、安全・安心な暮らしを求める欲求
③所属と愛の欲求
グループに属し、仲間を求める、愛情を求める欲求
④承認と尊厳の欲求
他者から認められたい 尊敬されたい 尊重されたい という欲求
⑤自己実現の欲求
可能性を実現する 自分の使命を達成する
という五つの欲求を階層的に捉えています。
自己実現欲求はその最高段階に位置づけられており、
低次の欲求が満たされて初めて次の段階の欲求に移り
一つ一つ段階を経て、
最終的にその人にもたらされるものと考えられています。
★それでは、ご質問です。
あなたの、チームについて教えてください。
複数のチームに属しておられる方も多いかもしれませんね。
それぞれのチーム毎で、考えてみても面白いですよ。
その1) メンバーに「私はこのチームの一員で良かった!」(所属と愛の欲求)
と感じてもらうために、どんなことができますか?
その2) あなたは、今どの段階におられますか?
チームのメンバーは、それぞれどの段階にいると思われますか?
その3) 自分自身がランクアップするために、
また、他のメンバーがランクアップするために、
どんなことができそうですか?
【ポイント】
伸びるチーム、コミュニケーションの土台は、
物質的欠乏の①②はもとより
精神的欠乏の③④を満たし
(心理的に安全安心の場ができていることでもありますね)
多くのメンバーが自己実現欲求⑤の段階に移行することで
強固にすることができます。
もちろん、この考え方が全てというわけではありませんが、
モチベーションの高い人財を育成するにあたり
意識していきたいところです。
本の事例では
「自分の意見を受け入れてくれる」
「仲間として認めてもらえている」
つまりは 「所属と愛の欲求」が満たされたからこそ
「そのなかで自分の存在意義も感じ」
「さらにチームに貢献しよう」
という想いに発展し
「承認と尊厳の欲求」を満たすための行動を起こす
という変化が生まれたのです。
モチベーションがどんどん上がっていきました。
そして、「承認と尊厳の欲求」が満たされれば、
さらに、このチームの中で、
自分の持つ能力や可能性を最大限に発揮していきたい、
という想いが芽生えていくのですね。
これが「成長欲求、自己実現」です。
こういったメンバーが増えてくると、
どんな時代にも伸びるチームになること間違いなし!
メンバーのやる気を感じない、という場合は、
精神的な欲求が満たされていないのかもしれません。
「どうせ私なんて、だれからも相手にされてないし、あてにもされてないし」
「あいさつしても、無視されること多いし・・・」
「社長は名前も覚えてくれているか疑問、いつだって「おい、そこの君」ではね・・・」
のような状態であれば、そもそもやる気は起こりません。
なので、
精神的な欲求が満たされるチームの環境をつくることが
大事になってきます。
今一度、ご自身のチームを振返ってみましょう。
「まずは、ロー(low) から」(マズロー)
ですね・・・(汗)(研修でも、このダジャレはあまり受けません・・・)
それでは、ここでまた一つ事例をご紹介しましょう。
超・超・優良企業の取組みです。
社内の全員が「さん」づけで呼び合うそうです。
なぜそうしているかというと、
お互いを尊重できる環境が大事だから。
(まさに、「承認と尊厳の欲求」のところですね。)
そのためには組織はできるだけフラットでなくてはならない、
という考えからです。
入社年次も、
年上であるとか年下であるとかも関係なく
全員が全員に対して
丁寧語で話しかけるようにしておられます。
すると、階層意識がなくなり、
その結果、思い通りに意見を言えるようになるとのことです。
思い通りに意見を言える環境が
すんごい業績につながっているということになりますね。
学ぶところ多しです。
相互信頼と相互尊重が大切!
コミュニケーションの研修では
アサーション訓練をとりいれることがあります。
年下や部下がへりくだり過ぎることもなく
上の立場や上司が見下すこともないように
相互信頼という土台を作っていくためです。
やはり、訓練も必要になります。
「私なんかが・・・こんなことを言って・・・」
という遠慮も不要。
能力や経験値の差も関係ありません。
そんなチームをつくっていきたいものですね。
★ 合言葉はこれ! 先ずはロー(low)から ★
(今回は、少し遊んでみましたぁ!!)
※マズローは晩年、第5段階の上に第6段階を追加しています。
自己超越欲求といわれ、無欲の状態。
他者や社会など、自分の外にあるものに対する貢献 が志向されており、
自分の エゴを超えたレベルでの理念を実現したい という欲求です。
マズローいわく「自己超越」の領域に達する事ができるのは、
全人類の 2 %程度とのことです。
ご意見やご質問などございましたら、お気軽にお寄せください♪♪
感想などいただけますと、とても嬉しいです。
「こんな取組みでこんな効果が出ています」なども
披露していただけましたら、ありがたいです。
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